○淡路広域消防事務組合火災調査規程
平成3年3月18日訓令第60号
淡路広域消防事務組合火災調査規程
淡路広域消防事務組合火災原因調査規程(昭和48年7月20日訓令第7号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則
第1節 通則(第1条~第3条)
第2節 火災の基準(第4条~第6条の2)
第3節 調査の体制(第7条~第12条の2)
第4節 調査上の心構え(第13条~第16条)
第5節 調査計画(第17条・第18条)
第2章 原因調査
第1節 通則(第19条・第20条)
第2節 火災時の調査(第21条~第24条)
第3節 現場保存(第25条~第28条)
第4節 鎮火後の調査(第29条~第32条)
第5節 質問(第33条~第39条)
第6節 児童に対する取扱いの特例(第40条~第47条)
第7節 原因の認定(第48条・第49条)
第3章 損害調査(第50条~第53条)
第4章 調査資料
第1節 照会及び資料提出(第54条~第56条)
第2節 資料の保全(第57条・第58条)
第3節 鑑定等(第59条~第61条)
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 通則(第62条~第64条)
第2節 火災調査報告書(第65条)
第3節 報告(第66条~第69条)
第6章 り災の証明(第70条~第72条)
第7章 震災に伴う火災の調査(第72条の2~第72条の6)
第8章 文書の処理(第73条)
第9章 雑則(第74条~第78条)
附則
第1章 総則
第1節 通則
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章に規定する火災の調査(以下「調査」という。)に関する必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 調査は、すべての火災の原因及び損害を明らかにして、火災予防施策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
(調査の区分)
第3条 調査は、原因調査並びに損害調査に区分する。
2 原因調査は、次の各号に掲げる事項について究明するために行うものとする。
(1) 出火原因 出火箇所、発火源、経過及び着火物
(2) 火災の性状 煙の流動状況、延焼経路及び延焼拡大の要因
(3) 火災初期の対応 発見状況、通報状況及び消火状況
(4) 避難状況 火災現場における避難者、要救助者の行動及び救出救助状況等
(5) 消防用設備等の使用状況
(6) その他消防行政上必要な事項
3 損害調査は、次の各号に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。
(1) 焼き損害 火災によって焼けた物及び熱によって破損した物等の損害
(2) 消火損害 消火活動によって受けた水損、破損、汚損等の損害
(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた前2号以外の損害
(4) その他損害 煙害等による損害
(5) 死傷者 火災に起因して生じた死者及び負傷者
第2節 火災の基準
(火災の定義)
第4条 火災とは、人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。
(火災件数)
第5条 火災の件数は、原則として、1つの出火点から拡大したもので、出火に始まり鎮火するまでを1とする。
(火災の種別)
第6条 火災の種別は、次の各号に区分するものとする。
(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災
(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災
(3) 車両火災 自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災
(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災
(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災
(6) その他の火災 前各号に該当しない火災
2 爆発現象は、化学的変化による爆発の一つの形態であり、急速に進行する化学反応によって多量のガスと熱とを発生し、爆鳴、火炎及び破壊作用を伴う現象をいう。
3 第1項各号の火災が複合するときは、焼き損害額の大なるものの種別による。ただし、その態様により焼き損害額の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。
4 前項ただし書を適用しようとするときは、消防長にその旨を協議しなければならない。
(統計外火災)
第6条の2 前条第1項に定める火災種別のほか、火災発生後1週間(168時間)を経過して覚知したものを統計外火災として別に区分する。
第3節 調査の体制
(調査の責任)
第7条 消防署長(以下「署長」という。)は、管轄区域内の調査責任を有するものとする。
2 前項の場合において、署長は、所轄消防隊員に調査を行わせるほか、所轄消防隊が出動しなかった場合においては、現場を確認した消防隊員に火災の調査を実施させることができる。
3 署長は、常に調査の進捗状況を把握し、適切な事務執行により火災調査報告書の作成に努めるものとする。
4 次条により調査本部を設置した場合の調査責任は、消防長とする。
(調査本部)
第8条 消防長は、消防行政上特に必要があると認める火災については調査本部を設置するものとする。
2 調査本部の組織、任務分担等は、その都度、消防長が定めるものとする。
(調査員の指名)
第9条 署長は、主に調査に従事する職員(以下「調査員」という。)を指名し、調査器材を整備し、調査能力の向上に努め調査体制の確立を図らなければならない。
(調査員の資格)
第10条 調査員は、淡路広域消防事務組合消防手帳及び立入検査証規程(平成13年訓令第110号)に規定する立入検査証の交付を受けている消防吏員とする。
(応援の要請)
第11条 署長は、調査のために必要があると認めた場合は、消防長に対し、消防課員又は予防課員(以下「本部調査員」という。)及び調査器材等の応援、資料の貸与を要請することができる。
(調査員の派遣等)
第12条 消防長は、前条に基づく要請があった場合は、火災の実態その他の事情を考慮して、本部調査員及び調査器材等の派遣を命じ調査に協力させるものとする。
(本部調査員の特命出動)
第12条の2 消防長は、前条の規定にかかわらず、調査のため必要があると認める場合は、本部調査員を火災現場等に出動させ調査を支援させることができる。
第4節 調査上の心構え
(常時の心得)
第13条 調査員は、常に火災の現象、関係法令、社会の動向、その他調査に必要な知識を修得し、調査技術を研究し調査能力の向上に努めなければならない。
(調査時の心得)
第13条の2 調査を行うにあたっては、次の各号に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 発生した火災から類似火災の予防を主眼とした調査活動
(2) 消防行政のために必要な情報を収集する調査活動
(3) 調査を実施する責務を有する機関として捜査機関及び行政機関との信頼関係を維持するとともに、業界及び業者等に指導し、連携することにより住民生活の安全を確保するための調査活動
(法令の遵守)
第14条 調査員は、消防法その他関係法令を遵守し、個人の自由及び権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(民事不介入)
第15条 調査員は、その職務を利用して関係者の民事的紛争に関与してはならない。
(関係機関との協力)
第16条 調査員は、警察署、海上保安部その他関係機関の職員と緊密な連絡を保ち相互に協力して調査にあたらなければならない。
第5節 調査計画
(調査班の編成)
第17条 署長は、火災規模に応じた必要人数で調査員及び調査を補助する職員で構成する調査班を編成し、調査員のうちから調査指揮者並びに実況見分者及び出火原因認定者を指名するものとする。この場合において、それぞれ兼任できるものとする。
2 調査指揮者は、係長(主査を含む。)若しくは主任とする。
(調査指揮者の任務)
第18条 調査指揮者は、具体的な調査計画を立て、任務分担を明確に指示し、現場調査、質問、書類作成等が速やかに行われるよう努めなければならない。
2 調査指揮者は、事前に収集された情報を分析整理して、当該火災の特徴及び問題点を把握し、消防行政上に必要な火災の調査が実施できるよう努めなければならない。
3 調査指揮者は、効果的な火災調査の実施ができるよう関係者及び各関係機関との連絡並びに調整を行うものとする。
第2章 原因調査
第1節 通則
(調査の原則)
第19条 調査は、常に事実の確認を主眼として、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断により事実の究明に努めなければならない。
(調査の時期)
第20条 調査は、火災の覚知と同時に着手し、火災時及び鎮火後にわたって行わなければならない。
第2節 火災時の調査
(火災状況の見分)
第21条 消防活動に従事する職員(救急隊員を含む。以下「消防隊員」という。)は火災現場に出動したときは、直ちに火災の状況を見分しなければならない。
(火災状況見分書)
第22条 前条の火災状況見分は、必要に応じ、その状況を火災状況見分書(様式第1号)に記載するものとする。
2 前項の火災状況見分書には、必要に応じ、図面、写真等を添付するものとする。
(聞込み調査)
第23条 消防隊員は、火災の早期発見者、その他火災の関係者に聞込み調査を行い必要な情報の収集に努めなければならない。
(聞込み書(メモ)の作成)
第24条 消防隊員は、聞込み調査により知り得た事項については必要に応じ聞込み書(様式は自由)を作成するものとする。
第3節 現場保存
(防ぎょ中の現場保存)
第25条 消防隊員は、出火場所付近の迅速な消火を心がけ、出火前の状態が推測できるよう原状の保存に努めなければならない。
2 防ぎょ活動のため、やむを得ず出火場所付近の物件を移動又は破壊しようとするときは、原状がわかるよう必要な処置をとらなければならない。
(鎮火後の現場保存)
第26条 署長は、次の各号により、鎮火後の現場を保存しなければならない。ただし警察官その他の関係機関によって現場保存がなされている場合はこの限りでない。
(1) 現場保存区域は、警察官等と協議して決定すること。
(2) 現場保存区域は、必要最小限度の範囲にとどめること。
(3) 現場保存区域は、縄張り又は張札等で表示すること。また、保存にあたっては必要に応じブルーシート等で目隠しを行うこと。
2 現場保存区域には、関係者であってもみだりに出入りさせてはならない。
3 現場保存区域は、調査の進行に伴い、順次縮小解除すること。
(原状の変更)
第27条 調査員は、現場見分を行う以前にやむを得ず現場の原状を変更するときは、写真、見取図、記録その他の方法により原状を明らかにするよう処置しなければならない。
(死者の取扱い)
第28条 消防隊員は、現場において死者を発見したときは、速やかに現場最高指揮者に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた現場最高指揮者は、警察官等に通報するとともに現場保存等の必要な措置を講じなければならない。
第4節 鎮火後の調査
(現場見分の原則)
第29条 調査員は、火災現場その他関係のある場所に立ち入り詳細に見分し、及び質問し証拠資料の発見収集に努めなければならない。
2 調査員は現場見分時に、個人情報や個人の供述等が外部に漏れないよう十分配慮しなければならない。
(実況見分書及び鑑識見分書)
第30条 調査員は、現場見分又は必要により鑑識見分を行い、実況(鑑識)見分書(様式第2号)を作成しなければならない。ただし、第48条第1項第1号に掲げる火災以外の火災については、実況(鑑識)見分書を省略することができる。
(立会人)
第31条 現場見分は、努めて関係者の立会いのもとにこれを行わなければならない。
(図面及び写真)
第32条 調査員は、現場見分内容を明確にするため図面及び必要により写真に記録しなければならない。
2 図面は、現場図面用紙(様式第3号)を用いるものとする。
3 写真は、現場写真用紙(様式第4号~様式第4号の2)を用いるものとする。
第5節 質問
(質問)
第33条 調査員は、火災の原因究明及び被害状況の把握のため必要があるときは、火元責任者、火気取扱者その他関係者に対し質問を行い、事実の確認に努めなければならない。
(任意供述の確保)
第34条 調査員は、質問を行うときは、強制的手段を避け、場所・時間等を考慮し、被質問者の任意の供述を得るよう努め、みだりにその供述を誘導してはならない。
(伝聞の排除)
第35条 調査員は、伝聞による供述を排除し、事実の供述を得るよう努めなければならない。
(質問調書)
第36条 調査員は、質問調書(様式第5号)に被質問者の供述を正確に録取しなければならない。ただし、火災早期発見者、消火協力者等出火に直接関係のない者については、聞込み書(メモ)でこれに代えることができる。
(署名押印)
第37条 調査員は、被質問者の供述を録取したときは、その内容を被質問者に閲覧又は読み聞かせ、誤りのないことを確認させたのち供述者の署名又は記名押印を求めるものとする。
2 前項の被質問者が署名及び記名押印することができないとき又は拒否したときは、調査員がその旨を記載しておかなければならない。
(通訳人の介助)
第38条 調査員は、通訳人の介助を得て質問したときは、通訳人を介してその内容を閲覧又は読み聞かせて、供述者及び通訳人の署名又は記名押印を求めるものとする。
2 前項の通訳人の署名については、前条の規定を準用する。
(被疑者の質問及び押収物件の調査)
第39条 署長は、警察署に留置されている放火又は失火の被疑者に対する質問並びに押収された証拠物件を調査するときは、質問、証拠物件調査要請書(様式第6号)により請求するものとする。
2 被疑者に対する質問は、第34条及び第35条の規定を準用する。
第6節 児童に対する取扱いの特例
(準拠)
第40条 児童に関する調査は、この節の規定によるものとする。
2 前項の児童とは、児童福祉法(昭和22年12月12日法律第164号)第4条に規定する満18歳に満たない者をいう。
(調査員の心得)
第41条 調査員は、児童に関する調査に当っては、児童の特性をよく理解し、言動に注意しその心情を傷つけないように努めなければならない。
(関係機関との連絡)
第42条 調査員は、児童に関する調査を行うに当って必要があるときは、警察署、児童相談所、学校その他関係機関との連絡を密にして行わなければならない。
(保護者の立会い)
第43条 調査員は、児童に質問し又は現場見分時の立会人とする場合は、保護者、教師、保護司等の立会いのもとにおいて行わなければならない。
(署名又は記名押印)
第44条 児童の質問調書には、立会いする保護者、教師、保護司等の署名又は記名押印を求めるものとする。
2 前項の署名又は記名押印は、第37条の規定を準用する。
(特例)
第45条 第43条の規定にかかわらず、児童の年齢、職業、家庭環境、その他の事情を考慮して支障がないと認める場合又は真実が得られないと判断される場合は一般の例によりこれを行うことができる。
(氏名等の公表禁止)
第46条 児童の失火又は放火による火災について、住民、報道機関等に発表する場合は、氏名、年齢、住所等本人を推知できるような情報を漏らしてはならない。
(心神そう失者等の準用)
第47条 心神そう失者、心神耗弱者及びろうあ者等の関係する調査は、この節の規定を準用する。
第7節 原因の認定
(火災原因認定書)
第48条 調査員は、第3条第2項に掲げる事項を認定し、次の各号により火災原因認定書を作成しなければならない。
(1) 消防長が特に必要と認めた火災にあっては、火災原因認定書1(様式第7号)を用いるものとする。
(2) 前号及び次号並びに第4号に掲げる火災以外の火災にあっては、火災原因認定書2(様式第7号の2)を用いるものとする。
(3) 消防長が特に認めた火災にあっては、火災原因認定書3(様式第7号の3)を用いるものとする。
(4) 消防長が認めた火災にあっては、火災原因認定書に替え火災調査書(様式第8号)を用いるものとする。
2 火災原因認定書の作成にあたっては、次のことに留意しなければならない。
(1) 火災状況見分、現場見分、質問調書、その他関係資料を総合的に検討し、科学的に考察し、事実を認定すること。
(2) 結論と原因認定の経過を系統的かつ明確に記載し、それぞれの事実を立証する資料を明示すること。
(3) 火災原因の記載にとどまらず、火災の拡大状況や消防隊の活動等消防行政上必要な事実についても記載するものとする。
(防火管理等調査書)
第49条 防火管理に関する状況及び火災時の人の行動等出火原因以外の人的・物的調査事項は、前条第1項に規定する火災原因認定書に加えて、防火管理等調査書(様式第9号)に記載するものとする。
2 防火管理等調査書は、建物火災について作成するものとする。ただし、建物火災以外の火災であっても、必要に応じて作成するものとする。
3 防火管理等調査書は、現場における見分及び関係者の供述、通常の防火管理体制を示す台帳等を参考にするものとする。
4 防火管理等調査書には、必要に応じ、図面、写真等を添付するものとする。
第3章 損害調査
(り災物件の調査)
第50条 署長は、調査員に現場その他関係のある場所に立ち入って関係者に質問させ、り災物件を詳細に調査させて正確な損害の把握に努めなければならない。
(損害額の決定及び火災損害総括表)
第51条 署長は、調査により把握したり災物件及び火災損害届出書を総合的に検討し、損害額を決定しなければならない。
2 署長は、前項により損害額を決定したときは、火災損害総括表(様式第10号)を作成しなければならない。
3 り災物件の損害額は、り災した時点における時価又は原価により算出する。
4 損害の査定は、原則として損害査定書(様式第11号~様式第11号の5)を用いるものとする。
(火災損害届出)
第52条 署長は、調査上必要があるときは、り災者その他関係者に次の各号により火災損害届出書の提出を求めるものとする。
(1) 火災損害届出書(不動産、動産用) (様式第12号)
(2) 火災損害届出書(動産用) (様式第12号の2)
(3) 火災損害届出書(車両・船舶・航空機・林野・その他) (様式第12号の3)
2 前項の火災損害届出書の提出があったときは、届出内容を審査し収受簿に必要事項を記入して受理するものとする。
(死傷者の調査)
第53条 署長は、火災に起因して死傷者が発生したときは、その状況を調査し、火災による死者の調査表(様式第18号(その3))及び負傷者発生調査書(様式第14号)を作成しなければならない。
第4章 調査資料
第1節 照会及び資料提出
(官公署への照会)
第54条 署長は、法第32条第2項に基づき、調査について関係のある官公署に対し必要な事項の通報を求めることができる。
(必要な資料の提出又は報告の徴収)
第55条 署長は、火災の原因の調査のために必要な情報が得られない場合又は現場において立証のための調査が必要と認める場合は、関係のある者に資料又は物件等の任意提出を求めるものとする。
2 署長は、前項の規定によっては必要な資料の確保が困難と思われる場合は、火災の原因である疑いがあると認められる製品を製造し、若しくは輸入した者にあっては、法第32条第1項、関係者にあっては、法第34条第1項に基づき、資料提出命令書(様式第15号)による資料の提出又は報告徴収命令書(様式第15号の2)による報告の徴収を命ずるものとする。ただし、命令権を行使するにあたっては、必ず事前に消防課と協議するものとする。
3 署長は、前項の規定による命令についての履行期限は、資料又は物件等の内容によって妥当であると認められる期限とするものとする。
(所有権の確認)
第56条 署長は、前条により資料の提出を求め又は命じた場合は、調査資料提出書(様式第15号の3)によって所有権放棄の有無を確認しておかなければならない。ただし、特に必要がないと認められるときはこの限りでない。
第2節 資料の保全
(資料の保全)
第57条 署長は、資料の保全にあたっては、資料の証拠価値をき損しないよう細心の注意をはらい慎重に保全しなければならない。
(保管品の管理)
第58条 署長は、資料を保管する場合は、資料保管台帳(様式第16号)に記載し、調査が終了するまで保存しなければならない。
第3節 鑑定等
(鑑定及び実験依頼)
第59条 署長は、調査資料の鑑定及び実験(以下「鑑定等」という。)を必要とする場合は、消防長に鑑定等を依頼することができる。
(鑑定等の委嘱)
第60条 消防長は、鑑定等の依頼があったもので特に必要があると認めたときは、部外の学識経験者又は関係官公署に対し、鑑定等を委嘱するものとする。
(鑑定等結果の通知)
第61条 消防長は、鑑定等を行ったときはその結果を書面により署長に通知するものとする。
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 通則
(書類作成上の原則)
第62条 調査書類(以下「書類」という。)の作成にあたっては、わかりやすく、やさしい文章で事実をありのままに表現するよう努めなければならない。
2 書類をOA機器等で作成する場合は、各様式の記載枠内の罫線を省略することができるものとする。
(署名押印)
第63条 書類には、原則として作成年月日、作成者の所属、階級、氏名を記載し押印しなければならない。ただし、関係者から提出された書類についてはこの限りでない。
2 書類には、各葉ごとに作成者の契印をしなければならない。
(文字の加除訂正)
第64条 書類の文字の訂正又は添削は、次の各号による。
(1) 文字を削除するときは、誤り又は余分な文字を黒の横2線で抹消しその箇所に押印し、行の右欄外に「何字削除」と記入する。
(2) 文字の挿入は、脱字が短いときは脱字の上に「」記号を入れ、脱字が長いときは脱字の上に「」記号を入れて必要な文字をその上に挿入して押印し、右欄外に「何字挿入」と記入する。
(3) 文字を訂正するときは、誤字を黒の横2線で抹消し、その上に正しい文字を記入しその箇所に押印し、行の右欄外に「何字訂正」と記入する。
第2節 火災調査報告書
(火災調査報告書)
第65条 署長は、調査を完了したときは、火災調査報告書(以下「報告書」という。)(様式第17号)を作成し、消防長に報告しなければならない。
2 前項の報告書には必要により次の書類を添付するものとする。
(1) 火災報告
(2) 死者の調査表
(3) 負傷者発生調査書
(4) 火災原因認定書
(5) 実況(鑑識)見分書
(6) 現場図面
(7) 現場写真
(8) 火災状況見分書
(9) 質問調書(聞込み書(メモ)を含む。)
(10) その他原因調査上必要な書類(回答文書等)
(11) 防火管理等調査書
(12) 火災損害総括表
(13) 損害査定書
(14) 火災損害届出書
(15) その他損害調査上の参考資料
(16) 出動人員報告(様式第24号)
第3節 報告
(防火管理等の調査即報)
第66条 消防長は、特に必要と認めるときは、署長に第49条に規定する防火管理等調査書に掲げる事項の報告を命ずることができる。
2 署長は、前項の命令を受けたときは、速やかに、調査結果を報告しなければならない。
(火災報告)
第67条 消防長は、報告書に添付された火災報告(様式第18号(その1)~様式第18号(その3))について、県の定める期日までに報告しなければならない。
(報告書の報告期限)
第68条 第65条の報告は、火災の覚知の日から起算して120日以内に報告しなければならない。ただし、第48条第1項第3号及び第4号に該当する火災は30日以内とする。
2 署長は、前項に規定する期限内にやむを得ず報告することができない場合は、あらかじめ消防長にその理由を付した文書で報告しなければならない。
(報告内容の変更)
第69条 署長は、第65条に基づき報告した書類の内容について変更する必要が生じた場合は、火災調査変更報告書(様式第19号)により消防長に速やかに報告しなければならない。ただし、軽微な事項については、電話又は口頭により報告することができる。
第6章 り災の証明
(り災の証明)
第70条 消防長は、火災のり災者からり災証明交付願(様式第20号。以下「交付願」という。)により願出があったときはり災の証明を行うことができる。
2 前項の証明は、当該火災の調査の結果確認し得たものについてり災証明書(様式第21号)により行うものとする。
3 第1項のり災の証明は、原則として現場見分が終了するまで行ってはならない。
(り災証明交付処理簿)
第71条 消防長は、前条のり災の証明を行うときは、り災証明交付処理簿(様式第22号)に必要事項を記入し、交付の状況を明確にしなければならない。
(り災の証明処理)
第72条 第70条の交付願があったときは、必要に応じり災証明書を正副作成し、交付願に副本を添付して決裁を受けた後、正本を願出者に交付するものとする。
第7章 震災に伴う火災の調査
(震災に伴う火災の調査の原則)
第72条の2 消防長は、大規模地震発生時において消防本部に災害対策本部が設置されている間に発生した火災の調査に対し、必要に応じて組織的な執行体制を確立するものとする。
(情報の早期収集)
第72条の3 消防長は、地震発生直後から災害状況の記録及び調査のための情報収集に努めなければならない。
(震災に伴う火災の指定)
第72条の4 消防長は、地震発生直後からの火災状況を勘案し、期間及び地域を限定して「震災に伴う火災」を指定することができる。
(震災に伴う火災の調査活動)
第72条の5 震災に伴う火災の調査活動は、次に掲げる事項に重点を置き実施するものとする。
(1) 地震発生直後から災害活動が概ね終息するまでの間は、情報収集及び火災状況の記録を主眼に行う。
(2) 災害活動終息後は、り災証明書発行のための損害状況調査を優先して実施する。
(3) り災証明書発行のための損害状況調査終了後は、震災に伴う火災の調査記録を将来の行政施策に反映させるため、引き続き損害状況、出火原因及び延焼拡大状況等について詳細な調査を実施する。
(調査員等の確保)
第72条の6 消防長は、震災に伴う火災の調査活動に必要な要員を確保するとともに、資器材を有効活用できるよう配慮するものとする。
第8章 文書の処理
(保存期間)
第73条 文書の保存期間は、淡路広域消防事務組合文書取扱規程(昭和56年5月22日訓令第36号)によるものとする。
第9章 雑則
(火災原因に関する回答)
第74条 消防長は、火災原因その他の調査事項について、捜査機関その他関係機関及び関係者から照会があったときは、その内容、目的その他必要な理由について審査し、必要事項について回答することができる。
(広報)
第75条 調査に関する市民、報道機関等への発表は、広報効果が上がるよう積極的に行うものとする。ただし、発表は消防長若しくは署長又はその指定するものが行うものとする。
(火災原簿)
第76条 消防長は、調査結果に基づき、火災原簿(様式第23号)を作成しなければならない。
(調査研究会)
第77条 消防長又は署長は、調査上必要がある場合は調査研究会を開くものとする。
(施行細目)
第78条 この規程の実施に関して必要な事項は、消防長が別に定めるものとする。
附 則
(施行期日)
1 この規程は、平成3年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規程の施行後において、現に存する改正前の火災原因調査規程の様式による書類は、改正後の火災原因調査規程の相当様式による書類とみなし、使用することができるものとする。
附 則(平成6年12月27日訓令第68号)
(施行期日)
この規程は、平成7年1月1日から施行する。
附 則(平成15年12月1日訓令第121号)
この規程は、平成16年1月1日から施行する。
附 則(平成18年12月25日訓令第141号)
この規程は、平成19年1月1日から施行する。
附 則(平成25年3月26日訓令第188号)
この規程は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成28年3月29日訓令第203号)
この規程は、平成28年4月1日から施行する。
附 則(令和4年2月18日訓令第236号)
この規程は、令和4年4月1日から施行する。
様式(省略)